原料となる「にんにく」について少しご説明します。
にんにくの歴史
にんにくは、古代エジプト時代ピラミッドの建設に従事した労働者たちが強壮食品として食したり、ローマ時代には遠征へ向かう兵士の体力維持に欠かせない食品でした。
スタミナ食品としての役割だけでなく、肉や魚介類の保存にも用いられ、また、外傷、毒蛇・毒虫による咬傷に対してにんにくを塗り付ける治療法として用いられるなど、様々な効用が広がっていました。
日本へは大和時代に伝来したと言われています。
科、属名
ユリ科、ネギ属
タマネギ・ネギ・アサツキなどの仲間
品種
寒地型・・主に北海道や東北で栽培される品種
福地ホワイト、富良野、岩城、八幡平、ホワイト山形
暖地型・・四国や九州で栽培される品種
上海早生、壱岐早生、佐賀在来、高知在来
低緯度型・・沖縄で栽培される沖縄早生や静岡で栽培される遠州極早生など
沖縄早生、遠州早生、鹿児島在来、与論在来、大島在来
栽培から収穫、保存まで
植付は9月下旬から10月中旬ごろから始まります。
球形成は0-5℃が最適とされ、その後分化した球の発育は10℃前後で始まり、20℃前後の温暖な温度で促進されると言われています。(寒冷地:15~20℃ 暖地:18℃~23℃)
4月下旬から6月下旬に花芽が生じて身がついてきますので、2回くらいに分けて芯をつみとります。
収穫は早熟栽培で3月下旬から始まります。
多くは5月下旬から8月上旬までです。
採取後、風通しの良い軒下や、茎を縛って振り分けにして重量が25~30%に減少するまで乾燥します。
にんにくの成分について
にんにく摂取の際の目安
生食・・1片/日、加熱・・2~3片/日
特に生食は刺激が強いため、空腹時や胃腸の弱い方、体の弱い方はなるべく控えた方が良いです。
生を過剰摂取すると、胃痛や胸焼け、貧血などを招く場合があります。
また、アメリカ国立がん研究所によるデザイナーズピラミッド※では
「にんにく」が堂々の1位!
(※がん予防効果が期待できる40種類の食品を ピラミッド状に表したもの)
<文献>
「にんにくの神秘」 小湊 潔 著 1972.3
「にんにく新発見」 小湊 潔、小湊 壌 著 2000.10
「食品加工総覧 第10巻」 農山漁村文化協会 2000.5
「新特産シリーズ にんにく」 大場 貞信 著 2003.3